@phdthesis{oai:wayo.repo.nii.ac.jp:00002093, author = {岡田, 文江}, month = {2022-04-25}, note = {2021, PDF, 超高齢社会のわが国では,ロコモティブシンドロームは,社会的な影響が大きい症候群である。日本整形外科学会の定義は「運動器の障害による移動機能の低下」であり,全国で4,700万人に達すると推定されている。外科的治療は侵襲性が強く,投薬治療が容易でないことから予防が重要である。また本症候群の患者は社会との関係が抑制的になるなどの負の側面があることが予想される。 第Ⅰ章では,序論として本症候群について概説し,高齢者の健康を損ない要介護状態に至る重要な要因であることを述べ,生活習慣及び社会環境との関連について検討する本研究の目的と5つの分析について述べた。第Ⅱ章では,研究方法として本研究で用いたデータと分析方法について概説した。研究データは,全国12,782人の在宅高齢者を対象とし,質問紙を用いた対面調査により収集したものである。第Ⅲ章では,結果として本症候群に多くみられる予防的・リスク的関連について探索的に検討した3つの研究を示した。まず1つ目の研究として,生活習慣に着目し,関連要因を探索した。普段の買物での肉類を普段購入することがわずかではあるが本症候群の予防に貢献している可能性が明らかになった。その他に,ロコモティブシンドロームのリスクを高める関連要因としては,女性,75歳以上,介護保険利用者,肥満者であった。2つ目の研究では,外出頻度が少ない高齢者ほど本症候群が有意に多いという関連が示された。3つ目の研究では,普段から買物している女性にとって,居住地1km以内に元々店が無い買物困難者と閉店したので店が無い買物困難者は,近所(居住地1km以内)に店が有る買物困難者でない者に比べて本症候群が有意に多いという関連を示した。さらに,本症候群を有することが及ぼす影響について検討した2つの研究を示す。本症候群の男性は,地域活動やボランティアなどの社会参加経験が有意に少なく,生活満足度,主観的健康感が有意に低かった。女性も,地域活動やボランティアなどの社会参加の経験が有意に少なく,生活満足度,主観的健康感が有意に低く,社会との関係性が抑制的であることが示された。次に高齢者の栄養状態評価指標としてのBMIに注目した分析を行い,平均所得が高い地域に住んでいる本症候群の女性には低栄養傾向がみられ BMIが有意に低かった。男性では,噛みにくいと答えた者において,有意にBMIが低かった。本症候群に有意な関連が示された制御可能な要因について多変量解析の結果,女性の標準化βは,BMI25以上(4.961)が最も強く,次いで外出頻度の週1~2回(3.817),閉店したので店が無い(2.755),外出頻度週3~4回(2.019)が続いて高かった。肉の購入(-0.001)は相対的に弱い結果であった。第Ⅳ章では,考察として本症候群の予防はBMIを正常域に保ち外出頻度を増加させ,食事摂取基準に基づいた肉類の摂取を促す献立の提案など,公衆栄養学的アプローチが必要であることが初めて明らかになった。そのほか,社会とのつながりを持たせ骨形成期を含めたライフステージ全体で本症候群の予防に取り組むことが重要であると考えられた。第Ⅴ章では,総括として研究全体をまとめた。本症候群を予防する関連要因は,BMIを20より多く25未満に保つ,ほぼ毎日外出する,普段の買物で肉類を購入することであり,また,症候群を有する者は社会参加が低く,生活満足度や主観的健康感が低いことを明らかにした。}, school = {和洋女子大学}, title = {超高齢社会におけるロコモティブシンドローム(運動器症候群)と生活習慣および社会環境要因との関連}, year = {}, yomi = {オカダ, フミエ} }