@phdthesis{oai:wayo.repo.nii.ac.jp:00002016, author = {坂ノ下, 典正}, month = {2022-04-25}, note = {2021, PDF, 咀嚼の効用は広く知られており,口腔機能の発達,栄養摂取,認知機能の維持・向上,肥満の予防など,様々な側面で生活の質(Quality of Life: QOL)の向上に貢献できるものである.食品の中でもチューインガムは特殊で,口腔中で長時間維持され,いつまでも咀嚼可能であり,咀嚼に特化した食品と言える.近年生活者の咀嚼回数が少ないことが問題視されている中,咀嚼回数を提供する食品としてチューインガムは重要である.チューインガム咀嚼の効用は現在多くの研究者により検証されており,口腔機能(咬合力,舌圧,唾液分泌量など)の向上や,記憶・作業効率の向上,血糖応答に対するポジティブな効果,ストレス低減など,QOL 向上ツールとしての検証結果が多数報告されている.本件では,チューインガムの咀嚼の効用を広く普及させるため,先行研究事例がなく解決すべき以下 4 つの課題について検証し結果を得た. (1)チューインガム咀嚼回数の検証: チューインガムが他の食品と比較して咀嚼回数の多い食品であることをエビデンスとして提示するため,「料理別咀嚼回数ガイド」に掲載されている食品を基とし,55 品目の食品,および,咀嚼回数についてエビデンス化されていないチューインガム,計 56 品目の食品について,測定方法を規定して咀嚼回数を評価し,1 ランク 10 回,10 ランクの咀嚼回数表として新たに編纂した.チューインガムの咀嚼回数は他の食品より多く,粒ガムと板ガムの咀嚼回数に有意差は無く,5 分間で 430 回,10 分間で約870 回となった.本研究より,チューインガムは咀嚼回数が多く,日常の咀嚼を補う食品として有用であることが示された. (2)外国産チューインガム中のテルペン樹脂の分析:外国産チューインガムの国内使用において懸念される,食品衛生法において国内使用認可の無いテルペン樹脂が含まれているか確認する手法を検討した.有機溶媒による抽出と LC/MS および FT-IR を用いた分析手法によって,チューインガム中のテルペン樹脂を検出・確認する方法を確立した.本研究において検証された方法が活用されることにより,輸入されたチューインガムの法的に健全な流通が維持されることが期待される. (3)チューインガムの付着性に関する機器分析とアンケートとの対応性検証:低付着性チューインガムと一般チューインガムを調製し,2 種のチューインガムの付着について,機器測定による付着性比較,および,アンケート調査による付着感比較を実施した.付着性測定結果とアンケート結果双方において,低付着性チューインガムは一般チューインガムと比較して歯科処置材料に低付着性であり,結果が対応していた,本件より,本研究の付着性測定法はチューインガムの付着感を評価しうるものであること,低付着性チューインガムは歯の処置を受けた人でも過剰な付着感無しに喫食できるものであることが示唆された. (4)チューインガムのストレス低減効果検証:三越伊勢丹従業員の 346 名の協力を得て,1日4回,6週間のチューインガム継続咀嚼による検証を行った結果,HADS 尺度および職業性ストレスアンケート双方でストレス低減効果が確認された.本研究により,チューインガムを噛む習慣をつけることによりストレスが低減され,QOL が上がる可能性が示唆された. 以上より,チューインガムについて,咀嚼回数,流通上の安全性,付着性,ストレス低減の側面について検証され,それぞれにおいて有益な結果を得た上,各課題に対する評価法の確立が成された.チューインガムの咀嚼について,生活者へより普及させ,有用性を啓発することが可能となる結果が得られた.チューインガムが咀嚼のツールとして安心して日常的に活用され,生活者の咀嚼回数が増え,それに伴い QOL が向上していくことが期待される.}, school = {和洋女子大学}, title = {チューインガムの咀嚼とその普及のための検証研究}, year = {}, yomi = {サカノシタ, ノリマサ} }